現代社会にとって、最大の敵ともいえるストレス。程度の差こそあれ、ほとんどの人は何らかのストレスを抱えながら生きていることでしょう。
ストレスは、一度体の中に巣くうと、徐々に人間の神経や身体機能を蝕んでいきます。ストレスが原因で起こる病気はたくさんありますが、その中でも胃がんは死にも直結する怖い病気です。ストレスは放置すると死をも招くリスクがあるという認識が必要です。
ストレスがあって当たり前、という見方も出来ますが、過重なストレスは精神的にも肉体的にもさまざまな障害を及ぼし、さらには寿命をも縮めてしまいます。特に胃がんのような罹患率と致死率の高い病にならないためにも、ストレスについて知ることが大事です。
◆ストレスが溜まると、胃液が過剰分泌して胃を荒らす
胃は、あらゆる臓器の中でも、ストレスの影響を最も強く受けるといわれます。ストレスが溜まると、胃液が過剰分泌され、胃壁をあらします。こうして胃がただれることで、胃潰瘍となり、この症状が悪化すると胃がんとなるわけです。
また、ストレスが溜まると、飲酒の量も増え、刺激の強い食べ物を好んでためるようになります。胃にとって刺激的な食べ物の蓄積が、胃に加重な負担をかけ、胃がんへと進行させている側面も無視できません。
ストレスを抱えると、暴飲暴食になる人もいます。言うまでもなく、胃にはよくありません。そんな生活を続ければ、最初は胃もたれ程度でも、胃腸の機能は著しく低下し、胃潰瘍や胃がんを誘発することになるでしょう。
◆睡眠と、食生活
胃がんにならないためには、できるだけストレスをためない生活を心がけることです。ストレスと縁遠い生活こそ、胃がん予防の最善の道といえるでしょう。
休日などは、なるべく仕事のことは忘れて、趣味やスポーツなど自分の好きな時間を作って有意義に過ごすことがリフレッシュとなり、ストレスの軽減につながるのではないでしょうか。健康的で覇気のある生活を送ることもできます。
そして、丈夫な胃を作るには、食生活が鍵を握ります。肉類や油物中心の食生活はどうしても胃に負担がかかり、衰弱を早めます。肉類などはほどほどにして、野菜も豊富に取り入れる食生活を心がけてください。
そして、十分な睡眠時間の確保も大事です。1日ゆっくり休むだけでも、ストレスの軽減につながります。胃がんで亡くなったとされるナポレオンの平均睡眠時間は3時間だったそうです。3時間の睡眠では、ストレスは溜まる一方で、胃はがん細胞の餌食とされるだけになってしまいます。